2023年6月 茨城・栃木4日間 ③栃木県

「ア-ト・ビオトープ」の水庭ポストカードから

3日目 6月2日(金)雨>アート・ビオトープ那須

                   クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所の意味)ヴィンチ

この盛り付け方が綺麗 サーブされた瞬間の驚き! 目で食するよう

本日は大雨です 予定していたステンドグラス美術館見学は止め
那須のお米のパン屋さん」での朝食も中止して ホテル室内で
バナナとチーズケーキとコーヒー お茶で軽食して我慢しました

10:10ホテルから那須塩原駅までの送迎バスで向かったのが
「クチーナ・イタリアーナ・ヴィンチ」の名物パスタコースです
お店を探すのに少々手間取り 予約時間を10分ほどオーバーし
入店後12:20までに食事を終わらせるよう希望を伝えました

あっという間に席は埋まります 近くにお住い?の女子会らしき
おしゃれな方々が 真ん中に陣取り 男性方は隅っこの方でした
とても美味しかった ゆっくりと味わいたかった 失礼しました

12:30に駅前から迎えに来ていた「アート・ビオトープ」の
シャトルバスに乗り込み(我々2名だけ)30分 現地に向かい
その間 雨はより激しくなってきました

受付を終え ギャラリーと特別展示館を回ります

ギャラリー内から外を眺めています


ヤマアジサイ」(別名サワアジサイアジサイ科 日陰で育つ

この小川と水庭の水が繋がっているそうです

何と 本日から「欧米家具の名品と雑貨コレクション」スタート
ー受け継がれるデザインの法則ーという副題がついています

デザインの法則とは 人の暮らしのスタイル 水庭の奇想も 永遠へと
投げかけられたデザインです 尖鋭的なアイデアも 人になじむことで
暮らしのスタイルになってゆきます

手作りの椅子 ケネディ大統領がニクソンとのTV討論会で使用されて
大人気となった椅子に堂々と座る妻 もう一枚立ち姿の妻の横の椅子は
一脚100万円で ここで販売中と

用意されていたクッキーと野草茶をいただいて14時からのガイド待ち

プロ撮影の季節ごとの写真が 紹介画面上に展開し 期待が膨らみます

ガイドさんの説明が始まります
2018年6月 日本建築学会賞など多数の受賞歴を持つ石上純也氏が
手掛けた「水庭」 面積は16,670㎡ 甲子園球場や東京ドームが
スッポリ入る大きさです
敷地は もともと雑木が生い茂る里山 それを先人が切り拓き水田にし
その後は牧草地でした 人の手によって開発された土地が 長い時間を
かけて再び自然に還っていくというプロセスをデザインし直す・・・

水庭の木々は 隣接敷地のヴィラ・レストランの計画で伐採される予定
であった樹木318本を移植したもの 特殊な機械で元の姿のまま移植
このため 悪天候や冬の間は作業できず 一日4本が限度 4年費やす
どこから見ても樹々が重ならない ものすごく計画的に移植されてます

水庭に配置された大小160の池(ビオトープ)は奥に行くに従って
段々と大きくなります 最初は木の間に池が配置 いつの間にか大きな
池の中に木が配置されていると反転していきます

右の写真 妻の左側が何だか黒い 妻が「陰を感じる 怖い怖い」と
実はこの部分 6月の中旬には藤の花が広がり それはそれは豪華と

築山から 水庭の全景が見渡せます

「立床石」は日本古来の庭園の思想を受け継ぐもの
四国にあったイサム・ノグチのアトリエに秘蔵されていた石を譲り受けた

全ての池はパイプを通じて繋がっており 取水枡から導き入れられた
川の水は 最初の8個の池から全ての池を循環 再び川へと流れ込む
「行く川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず」と鴨長明
方丈記」で述べた如く 水の流れに生命の姿を重ねてきた日本古来
の思想にも通じるものです

出入口は 玄関から屋内に入り 廊下を通りながらリビングスペースへ
と向かうイメージになっているそうです

奥に見えるのがプレミアムヴィラとレストラン
この敷地の樹々が水庭に移植されたのです

雨でなければ もっとゆっくり ロングコース(今回はショート)を
しかも秋の紅葉シーズンに訪問したい
2019年3月 石上純也氏は文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞
「こんな風景は自然の中には存在しない だから 少しでも人が手を
緩めると崩壊してしまうフィクションであり その蜻蛉のような儚さ
が人を引き付ける 危うい姿勢でつま先立ちをして語り掛ける静寂
自然とは何か 人とは何か それは 精神の深奥に語り掛ける美しい
逆説である」平成30年度芸術選奨 贈賞理由一覧より抜粋したもの

2019年 5月 「クールジャパンアワード2019」受賞
2019年10月 「グッドデザイン2019 ベスト100」受賞
2019年10月 水庭の成果で 第一回「オベルアワード」
         (デンマーク)を石上純也氏が受賞

本来 この周辺の土地は 二期倶楽部の二期リゾートが管理していた
二期倶楽部とは 栄光ゼミナールを運営する北山氏の妻女が栄光から
借り受け営業 一時は皇族の方々も利用する高級リゾートであったが
東日本大震災で傷ついた施設の修繕を 栄光に依頼するも拒絶されて
賃料支払拒絶に出て 訴訟となり その最中に 現星野リゾート那須
の敷地が売り渡された 

 

      2019年秋 旧二期倶楽部の買収・修繕を終え 
      オープン ここから3分の場所で 一般客入れず


            那須高原バル全景

水庭を後にし タクシーで「那須高原バル」に向かいます
タクシー代は2,300円でした
現在3:10 まだお腹はすいていません メニューを見てどれも
これも食欲が沸かないようです その顔が如実に写真に出ています
テイクアウトの品を含め なかなか決めない妻に文句を言う私です
いつものことです でも店の店員さんが心配そう・・・・

店員さんにタクシーをお願いしますと「こちらで車を用意します」
初めにメールで予約した際 東急ハーヴェストまでのバスがこの
時間が最後 その時間内に 食事とテイクアウトの準備を希望と
書いておいたのを見て店員さんが こんなにしてまでうちの店に
来ていただく これには 車でホテルまでお届けしないと・・・
そう決めていたそうです(白タクではないので料金不要と)

助かりました 本来は店から300m歩いて広谷地バス停からの
路線バスに乗り 一軒茶屋バス停から那須周遊バスでホテル前へ
という面倒なコースか タクシーかしかない 交通不便な場所で
レストランを選んだせいです でも最後に 大きな親切に出逢い
とても心がホッコリしました 妻に笑顔が戻りました ホッ!

テイクアウトのサラダとピザ2枚をホテルに持ち帰り夕食です
部屋の前にレンジがあり チンします
ここでも「チコちゃんに叱られる」「レンジでどうしてチンできるの?」
マイクロ波で 食べ物の中の水の分子が 押しくらまんじゅうするから

参考:那須はなぜ一大リゾート地になった?
   2018・9・1の「ブラタモリ那須編」で解明されました
   今では 年間1,400万人が訪れる人気観光地なのですが

明治になっても那須は 石ころがゴロゴロ 不毛な荒野ばかり広がる
日本一の扇状地 水も地下深くに吸い込まれ水無川がある場所でした

時は 明治新政府鹿鳴館時代 明治の元勲たちは私財を投じ農場作り
にチャレンジ これはヨーロッパの貴族が農場を有することへのマネで
明治18年 国家プロジェクトとしての「那須疎水」スタートと機を一
にしていました 70kmを華族ファーストとも言える突貫工事で完成
活路(開拓の目的の一つ)は温泉の存在だったのでしょう

農場作りが本格化 避暑地として別荘地としてのステータスが上がる
那須塩原駅から黒磯駅周辺には 今でも明治元勲の別荘が見られます


   明治16年 青木周蔵  明治17年 山縣有朋(上の写真)
   明治26年 松方正義  明治34年 大山巌 西郷従道他多数
「明治貴族が描いた未来」~那須野が原開拓の浪漫譚として2018年
日本遺産に登録されています

黒磯駅からの日本遺産周遊も事前に検討しましたが 日数的にオーバー
   次回もし訪れる機会が有ったら 別荘群見学にチャレンジしたい
注記:那須と言えば御用邸 以前は御用邸に向かう際の最寄り駅として
   黒磯駅に皇室専用の出入り口や待合室が設けられ お召し列車
   発着は当駅であったが 東北新幹線の開業や 昭和天皇崩御後は
   隣の那須塩原駅に移転しました  

 





























  ガイドさんの