2020年 紅葉の京都・奈良 7日間  美しい庭園巡りと美味しい食事を求めて②

<2日目 11月23日(月)>宇治から奈良へ
早朝起床 今晩の宿泊先は奈良ホテルです 西の横綱格と言えるでしょう
都シティ近鉄京都駅ホテル一泊分の代金を捨てるのですが止むを得ずです

朝7:24発のJR奈良線(昨日乗った)で宇治まで33分240円です
どうして朝早くの出発なのか? 宇治平等院の本堂に入るのは 先着順で
開門前から行列必至だからです コロナ対応でなのか 1回20名ずつの
人数制限があり 9:30から20分交替で 阿弥陀如来坐像を拝むため
必死なのです 昼食を11時に予約してあり 時間的な制約があるのです

f:id:HATTYAN0234:20201209134027j:plainさすが宇治 郵便ポストが茶壺です 

宇治といえば「お茶」です お茶の歴史を少し
偶然ですが 昨日訪れた建仁寺 開山は栄西禅師(1141~1215)
栄西は平家の庇護で南宋に渡り 南宋禅宗と共にお茶を日本に広めた人
「茶は養生の仙薬なり・・・・」不眠覚醒作用が禅の修行に必要と考えた

お茶の種子を栂尾高山寺の明恵上人に送り そこで茶畑になり そこから
茶の実を宇治に送った 宇治の地形・寒暖差が お茶の栽培に適しており
普及した 宇治が「煎茶」「抹茶」の発祥地であり 宇治の名は広まった
ついでに 京都での布教に限界を感じた栄西は次に鎌倉幕府に庇護を求め
京都に建仁寺を建て 最後は建仁寺で入滅した

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さすがお茶の名産地 伊藤九右衛門 中村藤吉本店 上林・・・・と並び
店の前でいちいち写真を撮っていて 実は一番肝心な行列並びを失念です
注:中村藤吉本店 安政元年(1854年)現在地に開業す 勝海舟から
  賜った「茶煙永日香」を家訓に揚げ 天皇陛下に御茶献上 茶道御家
  元より茶銘を頂戴し茶業一筋に営んできたという名店 応援してます
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f:id:HATTYAN0234:20201209134945j:plain案の定 開門前からズラーッと行列ができていました 果たして何番目の
グループに入れるのでしょうか?

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あと二人分早ければ第一グループでしたが 結果二番目の9:50の番に

f:id:HATTYAN0234:20210101212058j:plain池の周りを写真に収めながら 今度はご朱印をいただくために また行列
日本人は行列が好きなんです
随分待ちました 受付は4名いるのですが その場で書いている(京都の
有名寺院では あらかじめ書いておいて封に入れ手渡しのケースが多い)
ために列は遅々として進みません このままでは鳳凰堂内部拝観の時間に
遅れるかも・・・・何とかゲットできましたあ

f:id:HATTYAN0234:20201209140047j:plain池にきれいに写り込んでいます
歴史的に見ると 京都で平安時代の名建築というと ここと醍醐寺くらい
あとはどうなってしまった?特に「洛中」では無いのでは?ということで
調べると「平安時代の遺構深度」という検索欄に答えが見つかりました

平安時代の大半は 河川の洪水・氾濫などにより現在の地表面の下に埋も
れている 京都市内では これまで1万件を超える遺跡調査が実施されて
おり ①鴨川右岸(下流に向かって左右となるので右岸は御所側)の地域
で(遺構)深度が大きい 1m以上は堀川通より東 深度が1・5m以上
は御所の西部 烏丸御池 四条烏丸 河原町五条周辺 ②桂川の流域では
1m以下で 鴨川流域より浅くなる 鴨川の河川活動・洪水の堆積物等が
地層の中に大量に残されていることが 洪水の多大さを示しているのです
余談ながら 地下鉄烏丸線工事では どれだけ遺構が出て来たか興味津々

発掘調査現場で見ると 遺構深度は 先ず現地表面から火災の痕跡が続き
16世紀頃の洪水堆積物 次に15世紀頃の遺物を含む堆積物 最後には
平安時代の遺構検出面が出てくる 人の身長より深くに存在している地域
もあるのです

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ブラタモリでは この辺をどう説明していたのか興味津々 是非再放送を
 

 

f:id:HATTYAN0234:20201209140214j:plain近くの人に二人写してもらいました 三枚も撮ってくださいました

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ミュージアム鳳翔館に駆け込みました 中の陳列品は素晴らしく 本当は
ゆっくり見たかったものの 時間が無い 小走りに回り出口をさがします

f:id:HATTYAN0234:20201209140519j:plain出口に広がる紅葉もパノラマ撮影 右端に誰かが覗いています

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鳳凰堂の裏になります

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鳳凰をきれいに捕らえました

f:id:HATTYAN0234:20201209141612j:plain極楽浄土の宮殿をモデルにした鳳凰堂 堂内には平安時代を代表する仏師
定朝作の本尊 阿弥陀如来他諸々 浄土教美術の頂点が集約されていると
(写真撮影禁止でパンフより転写)

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朝霧橋の上です 本来ならここからの紅葉の眺めが見事なのですが・・・
源氏物語宇治十帖の碑 近くに源氏物語ミュージアムもあるのですが・・

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夢の中に出てくる「朝霧橋の紅葉」です
先ずは昼食が待っています

f:id:HATTYAN0234:20201209142920j:plain一休から予約しておいた「辰巳屋」さん 6千円コースです
本日は1ヵ月前の段階で11時の回以外は全部予約でいっぱいでした 

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妻の足が悪いのでテーブル席をと依頼しておいたのでこんな上等個室です
外を流れるのは宇治川 かなりの急流です

f:id:HATTYAN0234:20201209143550j:plain奥様が床の間を背に上席です 先ずは抹茶茶碗に入った抹茶豆腐です

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続いて生湯葉カニ身抹茶和え そして百合根抹茶掛け

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季節の田楽三種盛り 海老の香煎揚げと抹茶塩
ここまでよく覚えたでしょう いや違います 一生懸命紙に書く私を見て
おしながきを持ってきてくださったのです

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抹茶蕎麦(中に鰊) 
ここからえらく時間があいて (どうも忘れたらしい)
留物 白味噌「うずみ豆腐仕立て」と香物五種(またしばしの間隔)

f:id:HATTYAN0234:20201209145421j:plain抹茶チーズケーキ 寄せ小豆 抹茶おからドーナツ

f:id:HATTYAN0234:20201209145556j:plainこちらからお願いした訳ではありませんが「写真撮りましょうか?」と
聞いて来たところをみると やはり忘れていたうしろめたさ?・・・・・

12時ごろから下の階に団体さんが入り 皆さんテンテコマイでした
会計時 当店女将が妻に「コロナ以降久しぶりな盛況で皆落ちつかなくて
失礼いたしました」とか云々 上手に受け答えされとても好印象だったと
いやあ抹茶料理堪能しました これが美食の第一号スタートです

ですが相当な時間ロスで 駅まで早歩きです
そうそう 駅への帰路平等院鳳凰堂入口を通ると「堂内拝観3時間待ち」
やはり早朝出発は正解だったのです
参道にあった中村藤吉本店で「生ちゃこれーと」二つ購入 8月に京都で
買っておいしかったので 再度家に持ち帰って楽しめます
(本当は駅前の中村藤吉本店に入り ゆっくり休憩したかったのでした)
観光客に評判の「宇治紅茶館」にも入店し雰囲気だけ味わい 即退出です

さあ JR奈良線に乗って奈良駅を目指します 27分で510円です
妻は足のせいでゆっくり 信号ごとに私が待ちます 止むを得ずです

f:id:HATTYAN0234:20201209151152j:plain後ろは 奈良駅の旧舎 現在観光案内所として利用されています
昭和9年(1934)旧鉄道省時代に建築の 最後の社寺風建築(という
のは 同じ社寺風建築の長野駅北陸新幹線の工事に伴い解体された)で
五重塔などの上に見られる「相輪」や「風鐸」の装飾を備えるなど 寺院
風の屋根を持つほか 折上格天井という和風様式と 縦長の窓やレリーフ
は洋風で 和洋折衷建築なのです

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1998年 奈良県が 奈良駅が連続立体交差事業の邪魔になるから取り
壊すと発表 これに反対する多数の人々が声をあげます「パリのオルセー
美術館だって元は駅舎・・・」とか「この駅舎は春日大社の参道の一部」
ともあり 最終奈良市が2001年保存に名乗りをあげ 現観光案内所に
なって残った「邪魔になるというのなら曳き家で移動すればいい」という
意見が決め手になり 移動して現位置に残りました 

f:id:HATTYAN0234:20210101211314j:plain奈良駅から奈良市内循環バスで ならまちの樫舎(かしや)を目指します

f:id:HATTYAN0234:20210201074911j:plain猿沢の池で散歩して店へ入ります

15時に予約 店のカウンター越しに和菓子作りを見つついただける
和菓子フルコースなので1ヵ月前に予約を入れておいたのです

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狭い店構えですが 中は順番待ちでゴッタ返し
結果は善哉です コロナの影響でカウンター越しの実演はとっくに中止と
聞いてないよ~です 予約時に聞いていれば見合わせたのに・・・・

f:id:HATTYAN0234:20210207084606j:plainならまちでの名所「格子のある家」を目指します 途中世界遺産でもある
元興寺(がんごうじ)に立ち寄りました 単なる塔跡です ナニコレです

f:id:HATTYAN0234:20201209153019j:plainこれでは間違える人もいるのでは? 元興寺の扁額がありますもの

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格子のある家は入場無料でした お話好きの案内女性が歓迎してくれます
町家づくりの知恵というか 空間を無駄なく使う先人の知恵 煙抜きとか
明り取りが素晴らしい 格子って外から中は見えにくく中からは見えると
いうハ-フ・ミラー効果があり 音や風は良く通すそうです

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おくどさんと箱階段 なつかしい匂いがします
念のため元興寺につき聞いてみると そこは単なる塔の跡で 本物はここ
と地図で示してくれました

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国宝が何点もあります 588年からの歴史ある蘇我馬子建立の寺院だと
少しも興味が沸きませんでした
注:日本最初の本格的伽藍ですが 現在では伽藍の大半が「ならまち」の
  下に埋もれてしまったとのことです それでも世界遺産です

いよいよ本日宿泊の奈良ホテルです
道すがら郵便局員に道を尋ねると 歩いて行けますとのことで散歩です
猿沢の池から上っていくと 確かに遠く上の方にホテルが見えました

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奈良ホテル所有の公園ですが 本日開園時間過ぎ 明日は休園と

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奈良ホテル到着です お疲れさまでした

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受付待合室 1922年アインシュタイン博士が弾いたピアノ

さすが奈良ホテル 歴史の宝庫 「美術品と調度品めぐり」という冊子が
いただけて 「建物内探検をどうぞお楽しみください」ということですね

f:id:HATTYAN0234:20201209155324j:plain新館3214号室に宿泊 広々としていて京都のホテルとは段違いです
f:id:HATTYAN0234:20201209155731j:plainツアーのうたい文句は 夕食は メインダイニングルームの「三笠」にて

f:id:HATTYAN0234:20210107232204j:plainフランス料理のフルコースをと書いてあったのに やはりですね 三笠を
通って次の間「菊の間」での食事になりました
しかも通された席の上には 和食用のお盆がセットされていたのです!

f:id:HATTYAN0234:20201209160341j:plain先ずは乾杯 妻の後ろの仕切りの向こうが「三笠」です
さあ気を取り直して食事です トラピックスからの予約では止むを得ず?

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パンと何とか?

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こちらの部屋は 入ったときは大勢いましたが すぐにガラン 数組だけ
の寂しい晩さんです

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メインとデザート
おいしかったけど印象は薄い 取り敢えず美食第二号としておきます
そうそう 受付で言われました 明日の朝食7時希望だと三笠はいっぱい
新館での和食になりますと・・・・やはり一見さんは三笠の敷居高しか?
                          おやすみなさい